移動性高気圧に誘われて、雪の華を見に赤城山に出掛けます。
先々週、義基爺の一周忌のため四人で広島に行き、そのままはらっぱを残して来たので単独行となる。 前回登った時の逆コースをとり、駒ヶ岳経由で黒檜に登ることにした。 いきなり雪の登りで早くも汗をかきながら。 単独行特有の他愛のない思考をグルグルとめぐらす。
鉄製階段もすっかり雪に埋もれて、手すりが膝あたりにあり登りやすい。
雪と格闘して稜線に出ると、透きとおった本当の青空が果てしなく広がり、開放感にどっぷり浸って、いつの間にか何も考えなくなる。 宇宙の彼方に吸い込まれそうな錯覚というか。 自分が透明になってゆくというか。
時折吹く風に、霧氷の粒がシャワーのように降りかかり。 ふと振返れば真白き富士の秀嶺がきれいに浮かんでいる。
駒ヶ岳に続く稜線は。 東村側に発達した雪庇が風に煽られるたびに雪煙をあげて。 キラキラ輝いていた。 澄みきったこの碧さは、決して人工的には創り出せない色だと思った。
はらっぱは今頃こたつかなと思いながら、休みやすみ高度を稼いで行く。 ザックがいつもより重いのは、缶ビールのせいだな。 まだかいなと思う頃、黒檜山頂に登りついた。
十人位の人が山を眺めたり、弁当を広げたりしていた。 積雪量は1mくらいだとか言ったりして、盛り上っているみたいだった。
日光から尾瀬、武尊、巻機、朝日、谷川の稜線。 苗場、志賀そして八ヶ岳が所狭しと並んでいる。
午後の紅茶を沸かして、ささやかなランチを済ませる。 はらっぱに、山頂からのメッセージを送る
記念写真を撮ってもらったあと。 横になって冬の太陽を全身に浴び。 ウトウトと山上の贅沢な時間を、優雅に淋しく過ごしたのであった。
気温が上がったせいか黒檜の急な下りでは、アイゼンに雪団子が付いて歩きにくく、ストックで叩き落としながら転がり下りる。
登山口に着いてアイゼンをはずそうとしたら腿がつりかけた ・・・ やば。 右腿は自分の弱点っぽい。
湖畔道路をテクって大洞に戻り、懐かしの緑風荘に寄る。 風呂は独り占め。